コンノサトミこんにちは!仙台市で女性専門鍼灸院をしています、MAHARIQ鍼灸院のコンノサトミです。
春と秋はPMSや更年期障害のなかでもホットフラッシュが出やすい季節です。
カッと頭に気が上りやすくなるので、夏は終わったのに自分だけずっと汗かいてる、なんてことにも。
ホットフラッシュや頭の首の汗は、人目につくこともあって結構しんどいですね。
そもそも更年期になぜ不調が起こるのかご存じでしょうか。このブログではその原因を詳しくお話しています。
更年期って何なの?
卵巣機能が減退し始めて消退するまでの期間で、閉経の前後5年間合計10年間を指します。(日本産婦人科学会の定義)日本人の平均閉経年齢は50.5歳なので、45~55歳が更年期の期間となることが多いです。
10年の間、何が起きているのか


私たち女性は、約300万個の卵胞(卵子のもとの細胞)をもってこの世に生まれてきます。排卵する卵子の数は、生まれる前、胎児のときにすでに決まっているんです。
体が成熟し始めると、排卵が起こるようになり、毎月成熟した卵子が1個だけ排卵されるようになります。
あれ、数が合わないじゃない?と思いましたか?
例えば14歳で排卵が始まったとします。(現代人は生理の始まりはもっと早いですが、未成熟な間は排卵はしていないので出血だけの生理期間があります。)そして毎月1個が育って排卵したとすると、1年で排卵するのは12個です。54歳で閉経したとしても、40年間で480個しか卵子を使っていないように見えますね・・・。
他の299万1500個はどこに行ったの?
実は卵子は毎月の生理で1個だけ育っているのではなく、毎月数十個育ったうちの一番いい状態の1個だけが排卵する仕組みになっています。なので、思っているより数十倍のペースで卵子は減っていくんです。
さらに年齢が上がると排卵前に退化する卵胞も出てくるため、数はぐっと少なくなります。300万個全部が排卵されるわけではないんです。
年齢が上がるにつれて元気な卵胞が少なくなってくると、そこから出ていた女性ホルモンが減少していきます。それに伴い、月経周期が不規則になって、排卵しなくなり、閉経に至ります。
生理の仕組みについてはこちらのブログでも説明しています↓


もともと、女性ホルモンは脳の視床下部(ししょうかぶ)という部分からの命令で、下垂体(かすいたい)で作られるホルモンで調整されています。
閉経が近づき、女性ホルモンが少なくなってくると、視床下部は頑張ってホルモンを出させようとします。
しかし、いくら視床下部が頑張っても女性ホルモンは出てきません。
そうすると、視床下部は『なんでなのーーー!』とパニックになります。
視床下部は女性ホルモンだけでなく、全身の自律神経の調節もしています。体温、睡眠、食欲、水分量・・・体が生きていくために必要な本能的な欲求は、視床下部がコントロールしているんです。そんな大事な部分がパニックを起こすのですから、体の中は大騒ぎになることもあります。
このように、更年期に起こる卵胞の減少による急激な女性ホルモンの低下による症状と、女性ホルモン減少による視床下部のパニックの波及で起こる全身の自律神経の乱れによる症状が、更年期障害です。
更年期障害ってどうやって見分ける?
『なんか最近調子悪いけど・・・これって更年期障害?』と感じても、実は自分では更年期障害なのか、別の病気なのか判別するのは難しいです。更年期障害は全身に症状が起こることもよくあるため、まず症状に合わせた専門医を受診することが大事です。
受診したものの病気は見つからない、原因は分からないという場合に『年齢的に更年期ですかね』と診断されることもしばしばです。その場合は対症療法としてのお薬が処方されたり、経過観察となることもあります。
婦人科を受診した場合でも同様です。婦人科だからといって、更年期障害を断定することは難しいのです。更年期はホルモン量が乱高下するため、ホルモン量を測定してもその時一瞬のことだけでは更年期障害の判断材料にはならないと仰るお医者さんもいらっしゃいます。
ただ、出血量が多い場合や出血がダラダラ続く場合には、子宮頸癌や子宮体癌の可能性があります。その場合は治療が必要です。気になる場合は早めに婦人科を受診しましょう。
こんなにある!更年期障害の症状一覧
今どんな症状にお悩みですか?更年期障害に見られる症状はこんなにたくさん。さらに複数の症状が一緒に現れることもあるので、とても深く辛い悩みになることもあります。
月経異常
- 周期の乱れ(周期が長くなる・短くなる)
- 出血量の増減
自律神経失調症状
- のぼせ
- ほてり
- 発汗
- 動悸
- 手足の冷え
※この中でも、のぼせ・ほてり・発汗を合わせてホットフラッシュといいます
精神神経症状
- イライラ、怒りやすい
- 抑うつ感、憂うつ感
- 焦燥感
- 不眠
- めまい
不定愁訴(分類が難しいものたち)
運動器症状
腰痛、肩こり、関節痛など
消化器症状
吐き気、食欲不振など
皮膚症状
乾燥感、かゆみなど
泌尿生殖器症状
頻尿、性交痛、陰部の乾燥やかゆみなどの違和感
全身症状
疲れやすい(易疲労感)
日本人に多い症状は?
この症状の中でも、肩こり、易疲労感、頭痛、ホットフラッシュ、腰痛は発症しやすいと言われています。
さらに、症状が変化しやすく程度も変わりやすいのが、更年期障害の特徴です。女性ホルモンが減少することで始まる更年期ですが、女性ホルモンそのものよりも視床下部が関係する部分のトラブルの方が現れやすいということですね。
ちなみに、閉経しても女性ホルモンは変わりのものがつくられるようになるので、全く無くなるわけではありません。
現代医学の治療法は?
女性ホルモンが減少して起こってしまう更年期障害、病院での治療法にあがるのはホルモン補充療法です。特に自律神経の乱れが強い場合で、お薬による副作用が心配ない場合は第一選択です。お薬は更年期の期間飲み続けます。病気や症状に合わせて漢方薬が処方されることもあります。
気持ちの落ち込み、不安感が強い場合は向精神薬が処方されることもあります。自分の症状に合わせて専門医を選ぶことも必要です。
鍼灸治療では何ができるのか
鍼灸治療は、鍼とお灸を使って自律神経の乱れを整えます。交感神経と副交感神経、それぞれにアプローチすることで、交感神経が働きすぎて起きるホットフラッシュや、副交感神経が働きすぎて起きる気分の落ち込みなど、広い症状に1回の治療で対応していくことが可能です。
マハリク鍼灸院では、ひとつひとつの症状をじっくりお聞きしながら体全体に治療をしていきます。
複数の症状同士、実は原因が同じということもありますので、たくさん症状があるからといってたくさん治療が必要ということではありません。お薬で対応するには何種類もの服薬が必要となる場合でも、鍼灸院1か所で対応できます。これは鍼灸のいいところです。
ただ、鍼灸院では検査や診断をすることはできませんので、先述したようにまずは専門医の受診からおすすめしています。
まとめ
お医者さんによるかもしれませんが、病院ではここまで更年期障害の説明はしません。生理のことも更年期のことも、病院行ったけどよくわかんなかった・・・って人は鍼灸院がおすすめです。鍼灸が、というよりは鍼灸師がいいと思っています。気をみる仕事ですが、患者さんに『それは気のせい』なんて絶対言いません。それは体がこうなってるからですねって、理由や理屈をお伝えします。自分の体についてもっと知りながら元気になりたい方は、ぜひ女性の不調に詳しい鍼灸院へご相談ください。


